ますます盛り上がりを見せる中国ファッションシーンから、要注目のブランド&デザイナーを紹介。
上海ファッションウィークの関連イベントとして、中国を初めアジア各国の若手デザイナーに発表の場を与えるファッションフェスティバル「LABELHOOD」の第3回目が、4月7日から10日まで開催された。ここでは「LABELHOOD」2017年秋冬コレクションより、今後ますますの勢いを見せるであろう要注目のブランド、デザイナーを紹介する。(文・写真:小山ひとみ、写真一部 LABELHOOD提供)
(2回目のレポートはこちら)
「Museum Of Friendship(ミュージアム・オブ・フレンドシップ)」
ロンドンのセントラル・セント・マーチンズを卒業し、2014年にロンドンでブランドを立ち上げたデザイナー、王天墨(Momo Wang)。2017年秋冬コレクションのテーマは「Next PASSPORT」。デザイナー王の軌跡を示し、間もなく期限を迎える10年パスポート。そのパスポートに記された10年の思い出を形にした。
今回、初めて「アウトドア」シリーズとして発表。デザインするにあたり、「旅」からスタートし、15歳から35歳までの女性に「旅行中、どんな服が必要?」というアンケートを取った。約500のアンケート結果をもとに、アウトドアジャケット、ダウンコート、水着、セーターなどに落とし込んだ。
ショーの会場には、テントや降り積もった雪が登場。インスピレーションは、北海道旅行からという。これまでと比較して、デザイナー本人の考えが明確に形に出たコレクションとなった。また、テキスタイルも、これまで頻繁に使用してきたレース素材は一切見られず、オリジナルの防水加工素材やオリジナルプリントを開発するなど、今季が王にとって大きな転換期となったようだ。とはいえ、「可愛らしさ」「少女らしさ」のテイストは残しつつ、ダウンジャケットはひざ掛けにもなるなどの多機能性を重視したデザインになっていた。