中国の若手デザイナーに発表の場を与えるPioneer Fashion & Art Festival「LABELHOOD」が、10月12日から15日まで開催された。ここでは複数回に分けて、同イベントに参加した中国の若手デザイナーのうち、既に国内外で注目を集めるデザイナーや、今後 ”マストで注目”なデザイナーを紹介していく。(文・写真:小山ひとみ,写真一部 LABELHOOD 提供)
「Junwei Lin(ジュンウェイ リン)」
今回のLABELHOODに参加したデザイナーの中では最年少の林筠葦。今年、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業したばかり。
2017年春夏コレクションのテーマは「ぼろぼろのロマン」。「高校という思春期には、様々な苦悩がある。でも、その苦悩は10代最後のその時期でしか経験できない、ある種のロマンとも言える」と林筠葦は語る。ショーの間は、日本映画「青い春」がバックで流れていた。
穴の空いたジャケットやパンツ、そして、シャツからは痩せた肌が丸見え。足元は、全員が真っ白のスニーカーを履いて登場し、日本の高校生が制服を改良するということを独自に解釈した。モデルの体型や背丈、髪型はほぼ同じで、それは、学校の規則に従いつつも、服装で個性を出したい日本の高校生そのものに映った。
会場の中央には、円陣を組む形でドアが設置されている。モデルが勢ぞろいすると、ドアの前で身につけていた服を脱ぎ捨て、下着と靴下、靴だけに。ドアを開けて内側に入ると、青い薄暗い照明が照らされる中、髪が濡れたモデルたちは再び、ドアを開けて登場。そして、別のモデルが着用していた服を着る。ストーリー性のある舞台的なショーで見せた。