ますます盛り上がりを見せる中国ファッションシーンから、要注目のブランド＆デザイナーを紹介。
アマゾンファッションウィーク東京が終わり、次なる舞台は上海。上海ファッションウィークに始まり、若手を中心としたファッション・フェスティバル「LABELHOOD」、多数のショールームも開催され、連日ファッション一色に染まった。2017年春夏コレクションに引き続き、今回も数回に分けて、上海で見てきたショー、展示会より、“マストで注目”なブランド、デザイナーを紹介する。（文・写真：小山ひとみ、写真：SIRLOIN提供）
「SIRLOIN（サーロイン）」
セントラル・セント・マーチンズを卒業した日本人Mao Usamiとスウェーデン出身のAlve Lagercrantzが設立したブランド「SIRLOIN（サーロイン）」。コンセプトは「最近のファッションは真面目すぎる！もっと面白くたっていいじゃない！」といたって明確で、上海での展示の前、パリファッションウィークでは、2011年に使用が禁止され、現在では廃墟となっている112年の歴史がある公衆トイレを舞台に2017AWを発表している。
コレクションで登場したのは、夏になると上海の路上でよく目にする、Tシャツの裾を捲って涼んでいるお腹の出たおじさん達。シャツやスカートがパンツに挟まったままトイレから出てきてしまった女性。そんな頬が緩む日常の瞬間をデザインに落とし込んだ。今後、上海を拠点に、全てのマテリアルをmade in chinaにし、下着にも力を入れていくという。デザイナー２人で作る、アートピースのような人をアッと思わせる愉快なデザインは、着る人を楽しくさせるに違いない。
今回の上海の展示会場では、個性派レストランDaliahが今季のコレクションに合わせて提供したタコのゼリーと薬の容器に入ったカクテルが振る舞われた。
