中国の若手デザイナーに発表の場を与えるPioneer Fashion & Art Festival「LABELHOOD」が、10月12日から15日まで開催された。ここでは複数回に分けて、同イベントに参加した中国の若手デザイナーのうち、既に国内外で注目を集めるデザイナーや、今後 ”マストで注目”なデザイナーを紹介していく。(文・写真:小山ひとみ,写真一部 LABELHOOD 提供)
「STAFFONLY(スタッフオンリー)」
ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションで知り合った温雅と周師墨が、2015年に設立したメンズブランド「STAFFONLY」。2014年にパリのファッション国際見本市「Who’s Next」でベスト・ファッション・アイテム賞を受賞。今年、イタリアのピッティ・ウオモの招待で、フィレンツェで展示を開催するなど、既に海外からも注目を集めている。
女性二人のデザイナーが、レディースではなくメンズを手がける理由について「残念ながら、中国の男性は、女性に比べるとまだファッショナブルさに欠けている。ある意味、任務と思ってメンズブランドを立ち上げた。」と笑いながら語る。
2017年春夏のテーマは「non.member」。「若者には、周りから理解されたくないという思いやライフスタイルを持っている。それらのどこにも属さないnon memberを、モッズからインスピレーションを得て形にした」とコメントした。
何かただならぬことが始まるのではという雰囲気の中、ショーは幕をあけた。全体的に何かの儀式か宗教団体の宣教活動かのようなショー。しかし、モデルの頭に付けられた、仏像に飾られる光背やキリストの後光のようなデザインのカラフルな装飾品や耳にぶら下がった巨大な耳飾りなどが目に入ると、会場のお客さんからは驚きの声が聞こえた。オーバーサイズのシャツやジャケット、また、上海のシューズブランドKKtPとのコラボなど、全てが完璧だった。