原宿 古着屋「 Un Old Joke(アンオールドジョーク)」

【INTERVIEW】原宿 古着屋「 Un Old Joke(アンオールドジョーク)」

 

おすすめのお店をインタビューで紹介する「Lovery Store」。今回は、原宿の古着屋「Un Old Joke(アンオールドジョーク)」をピックアップ。アイテムは、ベーシックからとばしてるものまでと幅広いデザインで、無地から柄ものまでカラバリ豊富。年代・テイストに拘らず、直感で選んだ服は、どれも着る事の楽しさや自由さを広げてくれる要素を備えている。

”唯一の二番煎じ”意味をする店名には、誰かが着た古着という、ある種二番目であるものに対して、それをいいと思ってまた着ることは自分の価値でのみ決めるという、古着への思いが込められている。今回は、そんなお店についてオーナーの稲川さんにお話を伺った。

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古着への思いを込めた”唯一の二番煎じ”
店名の元である「An Old Joke」は直訳すると古いシャレ、親父ギャグの意味。それが海外では古くさいシャレ、親父ギャグ、二番煎じと転じ、ことわざ的な使われ方をしていった。以前から好きだったというこの言葉の[A]を、打ち消しの[U]に変えて店名に。そこからお店のコンセプトは”唯一の二番煎じ”とし、矛盾するようなこの言葉に古着に対する思いを込めた。

「古着は誰かが最初に着たのもので、古着自体が二番目というか、誰かが着たのもを自分がいいと思ってまた着るものですよね。でもそれを決めるのは自分の価値でしかないっていうので、唯一の二番煎じというコンセプトでやっています」。

二番煎じだけど、完全な二番目ではない、自分が良いと思えば価値があるという、古着と、それを選んだ人への愛が込められている。

拘らないという拘り
そんな誰かが認めるであろう価値を信じて選ぶアイテムは、年代・テイストに拘らない。「色ものでカラバリ豊富にっていうのは大事にしていて、あとはお店の雰囲気として、無地もあるし柄もあるし、ベーシックなものあるし、とばしてるものもあるしっていう。割と意識しないことを意識していますね」。

これを置くというルールを作らず、着て・見て楽しいものをセレクトする。その結果、いい意味で昔ながらの古着屋らしさというものが薄れ、着ることに挑戦したくなるアイテムが揃っている。

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しょうがないな~という感覚
お店では、キルティングやニットのパンツ、レザーで切り替えたジャケットや、キッチュなプリントものなど、いわゆる飛ばしている派手なアイテムが目に入る。こういうものが見れるのが古着屋の楽しみだが、それにしても誰がどう着るのかわからない。

「こういう着方がわからないものとか、着れないだろうなって思うものこそ、着れたときに楽しい部分があるので、そういうのは伝えていきたい、提案していきたいですね。これをファッションに組み込めたときは、いつもよりワクワクするというか、そういう感覚がありますね」。

どう着るのかわからなければまず合わせてみる。その経験が次のスタイルを作り上げ、また次の楽しみへと広がるのだ。

「感覚を意識しているというか、より自分に素直になるようにしようというか。買い付けの時も、割と誰でも買い物するときもそうだと思うんですけど、フィーリングというか、買わざるを得ないぐらいの感じというか。もう、しょうがないな〜(笑)みたいな感覚がいつもあって」。

ずっと昔から服を選ぶ時に大事にしているという、しょうがないな~という感覚。そこには、自分が着ないと誰も着ないだろうなとか、着てやろうという強気の気持ちがあるという。

一着一着を飽きずに見てほしい
店内は、ショップカラーであるネイビーを基調とした落ち着いた雰囲気。そこにテンポよく色柄のアイテムとベーシックなアイテムが、ジャンルを超えて同居している。それはアイテムをあえてごっちゃにすることで、見やすく、飽きないようにという工夫だという。

「セレクトショップとかブランドのお店じゃないんだからスラックスだけを並べたり、コートだけを並べない。リミックスなんだけど、どこか整ったイメージというか、一着も見なくていいやと思わないような並び方にしています」。

「ここはいいやってあるじゃないですか、古着屋見てると。ここはTシャツだからとかなって、ばーっと飛ばしちゃうのがもったいないなと思ってて、自分もそういう感覚があって。でも実はもう一回戻って見ると欲しいTシャツがあったりして。そういうのをなるべくなくしてあげたいなと思ったんで、Tシャツを連続で置かないようにとか、飽きさせないたくないというのがありますね」。

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いつまでも一対一の関係
最後に目指すお店像を伺った。
「今うちは結構お客さんとの繋がりがすごい深いお店なんですけど、最初はうちの服が好きで買ってくれて、それが続いてどんどん仲良くなってみたいな感じで。そういう一対一の関係というか、必ず一人一人を見てたいなって思っていて、そういう意味では目標は叶ってるんですよね。でもそれをどんどん色んな人に、まだ見ぬお客さんとかに、無限に広げて行きたいなと思いますね。でも人数が多くなったからといって、気持ちはずっと変わらないので、100人いたら100通りの一対一があるように、それが何通りにもなるようにしていきたいですね」。

好きなものに純粋であること。だからこそこのお店には、それに呼応するように人が集まり、服から他愛のない会話まで、日常の一部として存在する場になっている。今回お話を聞いた稲川さんは20代の若いオーナー。一着一着、そして一人一人と真摯に向き合い、お客さんと一緒に育つお店は、まだまだ無限の可能性を秘めている。

【About Shop】
原宿・古着屋 Un Old Joke(アンオールドジョーク)
原宿・古着屋 Un Old Joke(アンオールドジョーク)一対一で伝える古着愛