原宿 古着屋 APOLLO(アポロ)

【INTERVIEW】原宿 古着屋「APOLLO(アポロ)」

おすすめのお店をインタビューで紹介する「Lovery Store」。今回は、原宿の古着屋「APOLLO(アポロ)」をピックアップ。
セレクトの良さはもちろん、圧倒的な服の量と、値段の安さで他にはない存在感を見せている。今回はそんなお店について、オーナーの相沢さんにお話を伺った。

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いち早く始めたヨーロッパ仕入れ
アポロの前身は、70年代から竹下通りにあった古着屋の走りとも言える”赤富士”にある。相沢さんもそこのスタッフだったが、オーナーの引退を機に、それまでの誠実な勤務と元気な姿勢が評価され、自分でやってみないかと声を掛けられた。

お店を始めるにあたり「みんなが価値を認めたヴィンテージも違うし、他でもやっているアメリカ古着も違う」と、当時少なかったヨーロッパ古着でスタート。コネがないと仕入れが難しいそうだが、長い経験と多くの人のサポートによって実現できたという。

99年に竹下通りで始めたアポロ。感度よりも商業的なお店が増えていることに違和感があり、2001年には今のキャットストリート裏に移転。「当時はお店も少なく、蚊や虫しか入って来なかった(笑)」というが、徐々にカフェなども増え、今ではすっかり古着好きにも定着している。

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”少しでも安く”の裏にある、きめ細かい工夫
「イギリスで普通にある古着屋さんみたいな値段で、日本人が好きなサイズが揃っていたらカッコいいなと思っていたら、今のお店になっちゃった」。そう語るが、その裏には女性オーナーだからこそのきめ細かい工夫と信念がある。

「古着屋の文化としてある、安く仕入れて高く売るのがカッコいいというのは、自分のスタイルには合わなくて」と、少しでも安く提供するため、当時まだお店が少なく家賃も低かった今の場所を選んだ。とにかく無駄な経費を一切使わず、在庫のための事務所も借りていない。ショッピングバッグはビニール製で、値札は段ボール。極めつけは、アイテムを自ら洗濯していることだろう。「お客様も洗えるものを買えたほうが良いし、縮みそうなものはその前に自分で見てみたい。そうすれば、ネットに入れたほうがいいものもわかるからね」。ここに並ぶ何万というアイテムは、毎日少しずつ自宅から運んでいる。

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状態を重視し、みんなが欲しいものを
買い付けは、年に4・5回ほどイギリス、フランス、オランダなどヨーロッパを中心に回る。また、時には別の国の人がイギリスに送ってくれたり、赤富士時代にニューヨークで知り合ったヨーロッパの友人も協力してくれるという。

「年代にはこだわらず、ハイブランドっぽいものや今みんなが欲しそうな物を選ぶ」というアイテムは、状態の良さを重視しながら、来た人にとって常に見た目がフレッシュになるように心掛けている。また、古着で黒っぽい服というのは、探している人は多い反面、70年代まで流行っておらず、あっても良く着られているため程度が悪いことも多い。「イギリスで仕入れを行い3年ほど試行錯誤して集められるようになった」という今では、量・質ともに充実している。

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普通の古着屋として細く長く
「ブランドと古着をミックスしたい人にとって便利なお店。スカジャンを着て、ギャバジャンを着てみたいな、ヴィンテージが好きな人には楽しくないかもだけど、そういう人の方が今は少ないような気がする」。長年の常連にも愛されながら、古着を始める人にとっても入りやすい。それはこれだけの広さとアイテム量があるからできることだろう。

「ここら辺をぷらんぷらん歩いている人が欲しいもの」と表現するアイテムが集まるお店は、古着を特別なものではなく、数ある選択肢のひとつとして自然に捉えている証拠。でも、それこそが原宿という場所らしさでもあり、これまで数々の”ファッションに興味を持つきっかけ”を作ってきたことも間違いない。ここはいつでも誰にとっても普通に古着を楽しめる場所である。

【About Shop】

原宿 古着屋 APOLLO(アポロ)
原宿・古着屋 APOLLO(アポロ)いつでも普通に古着を楽しめる場所