YUIMA NAKAZATO(ユイマ ナカザト)の2018年春夏コレクション。4度目となったクチュールコレクションを、パリ・オートオートクチュール・ファッションウィークで発表した。
今シーズンは「HARMONIZE(調和する)」をテーマに、表現の舞台として「宇宙」に着目。着る人それぞれに調和し、他者へ受け継ぐことができる新しい衣服を提案した。
物を長く使用し続けるための、日本古来の文化である襤褸(BORO)の修繕や、宇宙船外装の構造、また、宇宙での長期滞在には循環型システムが必須であることなどがインスピレーションとなり、ブランドが継続してきたUNIT式の発想をさらに拡張。廃棄されたパラシュートやエアバッグなど、身体をプロテクトするために開発された工業製品を世界中から集め、解体し、デジタルファブリケーションとクラフトマンシップにより再構築することで、全ての衣服の製作を行っている。
かつて人々が憧れた宇宙が、テクノロジーの進化によって手に届く現実に変わりつつある現代において、「やがて衣服は一点物しか存在しなくなる」というYUIMA NAKAZATOが想像する人類の未来の姿。今回は、変化する環境と身体に合わせてアップデートしながらも、ひとつの衣服を半永久的に纏うことを可能にする独自の生産システムも同時に公開し、未来を想像し時代を切り開く”人の可能性”を、また一つ具体的なプロセスに落とし込んで見せた。