有機的かつ未来的なホログラムバッグコレクション YUIMA NAKAZATO 2016AW

 

「YUIMA NAKAZATO(ユイマ ナカザト)」が、ブランドの顔とも言える素材「ホログラム」を使用した”HOLOGRAM SERIES”から初のウィメンズコレクションを発表。
2016年秋冬は、テーマを「UNKNOWN(未知なるもの)」とし、数多くのSF映画で舞台となっているアイスランドの風景からインスピレーションを得た。

コレクション製作にあたり実際に行った現地は、「まるで地球外の惑星にいるような感覚がした」という。中でも印象的だったのは、何十メートルにもなる氷の洞窟が、わずかに通る光によって一面ブルーに輝く幻想的な景色。コレクションは、そんな未知なる惑星に咲いている花や植物をイメージし、全4色あるホログラムの中から、ブルー系に絞って使用した。

製作されたバッグは、同ブランドらしい有機的かつ未来的な造形。だが実は、たった一枚の正方形から作られているところに見えないこだわりが詰まっている。これまでにも多くのデザイナーが挑戦してきた、折り紙のように折り畳む手法。今回は、複雑なカットを入れることでアップデートしてみせた。また、バッグのボディーと底部分にアルミ素材を取り付けることで、生地をホールドすると共に、ふわっとした膨らみを出し、空間を持ったバッグとしての機能を作り出した。

デビュー当時から使用しているホログラム。触ったでけでも割れ、指紋も付き易く、ファッションでは扱うことが難しい性質を持っている。また、製品化には、何層にも重ねる必要があるため、生産過程での工夫も必要不可欠だった。フイルムメーカーと協業し試行錯誤した歳月は6年にも及び、ようやく納得のいく素材へと進化を遂げた。

現存する素材の中で、光を表現するのに適した素材というスタートだったそうだが、他にはない輝きと耐久性が備わった今、今後のファッションにおいて大切な素材になるのではないかと中里は語る。

追記
今回のコレクションに合わせて発表された、パリ・オートクチュールへの参加。ブランド初となるショー形式で、2016年7月にデビューすることが決定した。ホログラムに始まり、3Dプリンターを使ったコレクションなど、常に意欲的な挑戦をしてきたユイマ ナカザト。次はどんな表情を見せるのか。詳細はまた後日追って行きたい。