「DRESSEDUNDRESSED（ドレスドアンドレスド）」の2017-18年秋冬コレクション。SNSが普及した現代において、人と繋がりたいという欲求と、相反するように生じる孤独という、今の時代が抱える二面的な精神性を表現した。
製作は、前シーズンのオーバーサイズやロングスリーブの”袖”をカットすることからスタート。デザイナーが人の体でもっとも感情表現ができると語る”手の部分”にフォーカスし、そこからシルエットやバランスなどを模索していった。
得意とする体を覆い隠すようなシルエットは、ファスナーによる開閉可能なスリットを入れることで新たな”見せる”可能性を示し、定番の重みのあるウールコートは素材をキルティングに置き変え、動きと軽やかさを加えている。また、Isolation（アイソレーション）、control（コントロール）などの、ネガティブなワードを反転させたアイコニックなアイテムも登場し、ソリッドな印象の中にユーモアを添えて見せた。
今回のコレクションの背景にあった、SNSの普及による時代性。常時誰とでも接続が可能となり、表現をしやすくなったと言える今、その反面、孤独や疎外を感じることも多くなっている。”見る・見せる”というファッションに欠かせない行為の変化と、それに伴う心の変化を、ブランドのアーカイブをアップデートする形で表現してみせた。
