「DRESSEDUNDRESSED(ドレスドアンドレスド)」の2017年春夏コレクション。東京コレクションへの参加が10シーズン目という区切りを迎え、会場をこれまでのヒカリエ ホールBから、大箱のホールAへと移して発表を行った。
コレクションは、テーマを「Community」とし、モーレス(社会規律)・モラル・マナーという3つのキーワードを軸に展開。社会規律の象徴である制服やスーツに、ストリートのユーモアを重ねたコレクションを発表した。
アイテムでは、サックスブルーやストライプのシャツ、グレンチェックやウィンドウペンのジャケットなど、クラシカルな王道ルールはそのままに踏襲。それらを着丈や袖のシルエットを大きくデフォルメし、ショルダー部分を着脱可能にするなど、独自のハズシをして見せた。
また前回のハイライトとなった、ビッグサイズのポルノ柄アイテムも登場。「スーツという外側に対し、インナーは人に見せられない格好や見せてはいけない性的な部分を表現したかった」と語る今回は、寝そべって指をしゃぶっている人などがモチーフになっている。
堅めのワードを挙げて挑んだ今回だが、その反面、peopleという文字を連続して刺繍することで人々を表現したり、同じトーンのシャツオンシャツや、ストッキングソックスなど、スタイリングでも遊び心を覗かせた。
10シーズン続いた感謝の言葉から始まったショー後のインタビューは、デザイナー佐藤氏の出産話が出るなど和やかな雰囲気に。緊張感のあるモードらしいコレクションを見せ続けるドレスドアンドレスド。リラックスしたクリエイションから繰り出されるストリートのユーモアが見ても着ても楽しい空気を付加している。