MIKIO SAKABE(ミキオ サカベ)の2017年春夏コレクション。
ブランドが10周年を迎え、やりたいことを一気にやったというコレクションは、70年代~90年代のシェイプを混ぜることで、今の時代に、そして未来に繋がる新しい形を探求した。
肩やネックライン、ウエストラインに変化が見える、70年代~90年代の時代に伴う人間像の変化に興味があったと語るデザイナーの坂部氏。2000年代以降はその特徴がなく、その無いということ自体が象徴ではと、今回の”シェイプ”というテーマに辿り着いた。
通常、特定の年代のシルエットを引用するのがコレクションの定番だが、そこには時代の異なるシェイプは上手く混ざり合わないという側面がある。「一体一体見てもらうというよりも、70年代のシルエットの横に80年代90年代が混ざり、違う良さや魅力が混ざる事で、なにか発見があるのかと思い、今回のテーマでやりました」。ショー後のコメントに加え、会場で配布されたリリースには、よりその問いが伺える。
― 時間から解放されてファッションを感じるとはどういうことか
― 時間とともに変化するファッションに、永遠の刹那が宿るか
続々と、そしてかなりの体数で登場したモデルは、映画から飛び出したような時代を感じさせるメイク、ルックを装っている。各時代を象徴する女性らしさ、あらゆる瞬間の輝きが同じ場所で交差するとき、どう映るのか。改めてシェイプにフォーカスしたコレクションを目の当たりにすることで、社会とシルエットが密接だった時代から、個人がシルエットを選択できるようになったことに気付く。