KEISUKEYOSHIDA(ケイスケ ヨシダ)の2017年春夏コレクション。
デビューから3シーズン、敢えて若いモデルを起用する事で、彼らのリアルな景色を描いてきたKEISUKEYOSHIDA。一方で印象が固まりつつあると感じ、自分の武器を再確認すべく挑んだ今回は、デザイナー 吉田自身とブランドの事を踏まえ「Reborn」と題したコレクションを発表した。
今回のコレクションは”制服”をベースに展開。自身がベストコレクションだと語る、日本の男の子達をテーマに制服を掘り下げたファーストシーズンをアップデートして見せた。
デザイナー 吉田氏は「これまでは彼らが歩いていることで景色を見せるコレクションを作っていましたが、今回は景色ではなく、洋服のデザインで勝負したいと思いました」とコメント。若過ぎるモデルも使わなければ、得意のジャカードニットも使わない。メンズもやらずに、全てレディースで揃える。ブランドらしさをタブーに、その制限の中でどこまで表現できるかに挑戦した。
ルックでは、シャツ、ジャケット、セーラー服、カーディガンやプリーツスカートなど、制服のディテールを大小様々にデフォルメし、ボリューミーなフリルを合わせるなど、独自の解釈でコラージュ。スーツやシャツ地などの規律を思わせる素材に、レースやスウェットが柔らかさを加えている。
なお今回は、フォトグラファー 草野庸子氏、イラストレーターくらちなつき氏、「ホワイトリリー(whitelilly)」デザイナー苅澤さりか氏の3名の女性クリエイターとコラボ。小学校から高校までずっと男子校だった吉田氏が、制服を作る上で感じていた女子との距離感を補いつつ、コレクションの世界観に彩りを加えた。
ケイスケヨシダの本質はもがくことだと語る吉田氏。精神的な生まれ変わりを意味する「Reborn」をテーマに、景色を見せるブランドから、景色を作るブランドへと新しい側面を見せた。