「ACUOD by CHANU(アクオド バイ チャヌ)」の2017年春夏コレクション。ブランド初となるランウェイショーを、”ASSIMILATE ALL INTO SHIRTS(シャツに同化)”をテーマに披露した。
ショーは、DJingのライブ演奏に合わせたストリートダンスのパフォーマンスでスタート。自身がファッションに興味を持った原点であるHIP HOPカルチャーを取り込むことで、ブランドの背景にある世界観を紹介した。
これまでキーディテールとしてきたファスナーについては「機能性の面もあり、新しい時代を開く、他の要素を繋ぐという意味として使っている」とコメント。どちらかと言えば、開くや裂くというイメージが強いファスナーに”繋ぐ”意味を見いだしているのは面白い。また、そのこだわりは品質にも及び、YKKのファスナーでも高級なエクセラファスナーを用いている。
そして今回のモチーフであるシャツでは、アクセサリーとドッキングしたり、アウターをコラージュしたようなアイテムを展開。「シャツは、19世紀からという長い歴史の中でも形が変わっていません。そして単にデザインから生まれたものではなく、風邪や日差しから守る機能もある。そんな完璧な美しさを持っているシャツを、テーマにしたかったし、自分の中でも一番自信があるアイテムなので、デビューショーで見せたかった」と語った。
今回が初となったランウェイショー。「東京に来て、ファッションの勉強をして、人脈もできて。元々東京のファッションに憧れていたので夢のよう」と話していたのが印象的だった。ショーの意義やファッションの在り方が問われている中で、彼のファッションへの純粋な眼差しは、間違いなくひとつの意義だろう。