KIDILL(キディル)の2017年春夏コレクション。テーマは「sad paradise」。
会場となったのは、鴬谷の東京キネマ倶楽部。大正ロマンのオペラハウスを再現した空間は、元グランドキャバレーというルーツがあり、異国情緒と妖艶な空気が流れている。
ショーは、Coyote milk store のライブ演奏によってスタート。スタンディングのオーディエンスの間を、モデルが颯爽と通り抜ける演出で披露された。
ド派手なグラフィク使い、ビッグシルエット、ボリュームのレイヤード。ブランドのアイデンティティを惜しげも無く出したルックは、ストリートの戦闘服といえる強さを持っている。
今回のショーに込めた”現代の新しい精神を持った不良たちへ”というメッセージ。ストリートが持つ衝動的な危うさを纏いながら、リッチな素材使いに、オーバー過ぎるボリュームと、デザイナーの思い切りの良さを感じずにはいられない。
世の中にハマらず、不器用ながら我が道を生きる不良にとって不可欠な”強さ”。それは表面だけのアピールではなくマインドで決まると言っているようだ。