テーマは「OFF BEAT」。
前シーズン「badass」をテーマに、やんちゃさを見せた少年が、今回は旅に出て、人に出会い、感謝することを覚え大人に近づくというストーリー。
世界各国の服のディテールが散りばめられたコレクションは、随所に暖色を忍ばせ、少年の旅が喜びに満ちたものであったことが伺える。それは人との出会いであり、愛に触れられたから。
ショーの直前、アトリエを訪れた際のこと。到着したばかりの縮絨加工のウールに感動しているデザイナーの姿はとても純粋で輝いていた。デザインチームはもちろん、生産現場までも含めたチームワークとお互いの信頼関係に驚かされたのを覚えている。
今回、最も伝えたかったこと、それは”人を大事に思うこと”と語るように、テレビのニュースから流れる人と人の争いや、家族と社会の関わり方など、日々の出来事を他人事とせずに受け止める感受性がこのコレクションの元となっている。
中でもカラフルなニットを取り込んだMA-1からは、”当たり前になっていること”に”相手を思うこと”を加えることで、日常を前向きに変えられるというメッセージが感じられた。
Text Koichi Kondo