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デザイナー自身が感じていた今年の憂鬱な気分を、演出、生地、洋服に全部に詰め込んだという今回。漆黒のベルベットを無造作に敷き、中央で分割したランウェイには、窮屈で、向こう側が見えない心境を反映した。
そんな気分を晴らすべく希望を込めたコレクションは、深めのスリットやラウンドのディテールを取り入れ、スタイリングによるズレやヒネリが動きを生み出す軽やかな印象。シャツのような感覚で作ったというジャケットやアウターは、ダークトーンに光沢のあるテキスタイルを合わせることで変化を見せ、差し込まれたスカーフがナイーブな雰囲気を醸し出している。
ショー後のインタビューでは、「スタイリスト、音楽をやってくれた yahyel(ヤイエル)の力で作ったもの以上になった。自分の洋服が食われたと思ったくらい良く、最高のチームで出来て良かった」とコメント。世界的なトレンドである、”敢えて格好悪い”ニュアンスを一切やりたくないと思っていたという今回。自分が信じてきた”格好良い”だけをやったと語る。
ファッション=流行、すなわちトレンドと解釈する風もあるが、それに乗るのではなく、次を生み出すのがデザイナーの使命であり、戦うべき葛藤なのだろう。東京コレクションでの発表について、「やると決めたので、何度かはちゃんとしっかりとやっていこうと思います」という言葉からは、デザイナーとしての誠実な姿勢が見て取れた。