フォトグラファー Tammy Volpe (タミー ボルピ)

【INTERVIEW】Photographer Tammy Volpe ”NICE TO SEE YOU”

フォトグラファー Tammy Volpe (タミー ボルピ) が、初となる写真展「NICE TO SEE YOU」を開催中。

まだ若手のフォトグラファーでありながら、写真歴は長く、すでにNumeroやVOUGE GIRL JAPANでも活躍している彼女。

自分と被写体が持つストーリーに、レンズを通すことで新たなストーリーを作り出すというテーマの元、あくまで自然に捉えた”その人”がとても身近に感じられる距離感で写っている。

今年の3月に訪れたLA・NYで出会った人々を撮影し、挑んだ今回の初展示。会場は、渋谷・松濤のSO GALLERYで、期間は2016年6月19日(日)までとなっている。

今回は、初となる写真展「NICE TO SEE YOU」はもちろん、自身の写真観についてインタビュー。どちらもキーワードとして「人」があることが伺える。

フォトグラファー Tammy Volpe (タミー ボルピ)

写真について
− 写真を始めたのは?
10代のころです。両親が小さい頃の私の写真を撮り続けていて、家にはすごいアルバムがあるんです。そういう、日常から写真が身近にあったのもありますね。
また、母が旅行が好きでいろんな所に連れて行ってくれてたんですけど、そのたびにインスタントカメラを渡されて「好きなもの撮っていいよ」って。なので小さい頃から一杯写真を撮っていたし、イタリアに行った時は、ドアノブの写真ばっかり撮ったりとか。自分でテーマを決めて撮っていたのが今に繋がったのかなと思います。

− 写真を撮ることは、どんな意味を持っていますか?
カメラは手放せないんですけど、その時その時を写真に残したいと思うし、小さい頃から撮ってたから、カメラがない生活は想像ができません。

− デジタルとフィルムどちらも使うのですか?
普段はずっとフィルムなんですけど、デジタルは仕事で必要な時に撮る感じです。デジタルだと連写とかするけど、フィルムだとそれができないから、その時その時を大事にできる。一枚に対する思いが大きいから。

− 被写体に人が多いですが、理由がありますか?
人と関わることが好きで、その人のストーリーと私のストーリーがあって。それをレンズを通して写真にすることで、2人のストーリーが別のひとつのストーリーになると考えています。私はそういう新しいものが生まれて、それが他の人に見てもらえてインスピレーションを与えれるかもしれないと思ったら、すごい大きなことに思えて。だから人を撮ることが好きだし、想いが強いから、一枚がすごい大切なものです。

− 自分なりのスタイルはどのようなものですか?
一番気にするのは構成で、写真の位置。こっちから撮るのと、あっちから撮るのと全然違って、絵からインスピレーションを受けて、画角とかも考えます。色も大切だけど、構成、位置が一番大事。

フォトグラファー Tammy Volpe (タミー ボルピ)

NICE TO SEE YOU
− 「NICE TO SEE YOU」に込めた思いは?
今回は、ロサンゼルスとニューヨークで出会った人達の写真を撮っています。日本語で”出会えて良かった”というのは言い辛いけど、英語だったら挨拶のように使う”NICE TO SEE YOU”はいい言葉だなと思って、NY、LAで出会った人達に、出会えて良かったという思いを込めて今回のタイトルにしました。

− 写真が右から流れるように並んでいますが、どのような意図ですか?
今回400枚くらい撮ったんですけど、特に印象に残っている写真を選んでいます。最初に私の写真があって、こっから広がっていくストーリーや思い出を現していて、LA、NYそれぞれの思いがあるので、別にカテゴリーしています。

− ロサンゼルスとニューヨーク、どうしてこの場所に?
元々旅行の予定だったんですけど、私がいつもカメラを持ち歩いて撮っていて。なんな中、NYに行ったときに写真展が街中でやっていて、インスピレーションを受けました。私も個展を開きたいなと強く思って。私が東京で開くことで、また若い子にインスパイアできたらいいなと思いました。

フォトグラファー Tammy Volpe (タミー ボルピ)

− 被写体は誰ですか?
ランダムなんですけど、新しく出会った人もいるし、インスタからコンタクトを取って仲良くなった人もいます。後は、街で見かけて雰囲気が好きで撮った人もいますね。

− どういう人を選びますか?
歩いていて直感でいいと思ったら撮りますね。テーマを決めるわけではなく、自分の普段の生活の中で見たもの。作り込まない写真が好きなので、選んで探して撮るという感じではなく、歩いて、そこに行って、それを撮るみたいな。自分の人生の一部として写真を撮っています。

− 撮影の時には、どんな話を?
今何してるのとか、どういうことやってるの?とか、普通の会話です。

− 今回の撮影でエピソードはありますか?
LAのフレアマーケットで会った人にすごい怒られて。イースターのウサギの帽子をかぶってる人で、私が笑いながら撮ってると思ったらしく、フィルムを捨てろ!と言われました(笑)

一番印象に残っているのが、イーストジーザスという地図にない街に住んでるヒッピーのおじいさん。そこは水も出ないような場所で、私の今の生活からしたらこんなとこで生きていけるのが考えられないというくらい、熱い場所です。私は半袖・半ズボンでも熱い熱いと言っているのに、かなりの厚着で溶け込んでいるのがすごく印象的でした。

最初は、別の場所に行く予定で。そこに行ったら、ある夫婦が「この先にヒッピーが住んでる町があるよ」って、教えてくれて。そこを進んで行ったら、右に行くか、左に行くかってなったときに、たまたま左に行ったら町があって、この町に着けました。すごい出会いだなと思って、そこに行って良かったと思ってます。違うほうを選んだらこのおじいさんに出会えてなかったから。

− 見る方へ伝えたいことや、メッセージはありますか?
私は写真を撮ることで、人生で見過ごして来た事を思い返すようになって、人との出会いが自分にインスピレーションを与えているって思えたし、写真にして見るみることで、どういう人が自分にインスピレーションを与えてきたとか、見るようにになって。自分もそういう風になれたらいいなと思っています。

人や場所、土地などの、その一瞬を大切に出来たらいいかなと思って。一瞬を見逃さないようにじゃないけど、大事にしてください!

Tammy Volpe
FIRST PHOTO EXHIBITION
”NICE TO SEE YOU”

期間:2016年6月17日(fri)~19日(sun)
時間:13:00~20:00
会場:SO GALLERY
住所:東京都渋谷区松濤2-14-12 シャンボール松濤 108
URL:http://tammyvolpe.com/