ブランド自立のための作業環境を求めて立ち上げた共同アトリエ「成遂寺（せいすいじ）」 が、東京・目黒にオープン。
クリエイター達が成し遂げる場所として「成遂寺」と名付けたこの場所は、所属３ブランドの共同アトリエとして運営しながら、他ジャンルも交えたクリエイターの作品を展示。新たなクリエーションが生まれる集いの場を目指す。
入居ブランドは、old honey（オールド ハニー）、 ZOKUZOKUB（ゾクゾクビ）、 Shinpei SOMA（シンペイソウマ）で、いずれもアジアファッションコレクションで賞を獲得しNYでファッションショーを発表したバンタンデザイン研究所卒のブランドとなっている。
学校を卒業したばかりの若手ブランドが苦しむ作業環境という壁。今回はそこに一石を投じる企画として、場所や道具をシェアすることでコストを抑え、同じ空間で切磋琢磨しあえる環境を整えた。
また、モデル、フォトグラファー、アクセサリーやプロダクトのクリエイターが作品やポートレートを並べることで、新たな交流やインスピレーションが生まれる仕組みも用意。なお、内装はお寺をテーマにしており、資材や設備の資金はクラウドファンディング・サービス「BOOSTER（ブ ースター）」で調達している。
ZOKUZOKUB（ゾクゾクビ）／ 星 拓真
ZOKUZOKUB というブランド名は、「ゾクゾクしい（ゾクゾクする）」と「美しい」の造語で、デザイナー 星 拓真が感じる、ゾクゾクする色彩、そして流線美やモノの美しさを表現する。
日本の建築や風習を落とし込んだ洋服作りが特徴で、羽織のディテールや、浮世絵をインスピレーションにしたグラフィックなど、独自の視点で日本を捉え直している。
NYでのショーではプレゼンとして立体的なフォルムを重視していたが、ブランドとして本格始動した今は、着る事を重視。よりリアル・クローズへと進化させ、ゆったりとしたパターンに機能性や実用性を付加している。
old honey／ 原 まり奈
ブランドコンセプトを”日常に特別を添える服”とし、リメイクによる一点ものを作る「old honey（オールド ハニー）」。
デザイナー 原まり奈の感性で、直感的にかわいいと思ってもらえるものをイメージしながら、ウエストや足首を細く見せたいというような女性の繊細な気持ちにも応える服づくりをしている。
アイテムは、メインの元素材である古着に、スパンコールや刺繍、ニットを加え装飾。中でも、薄い素材に毛糸をのせたりと、テキスタイルの差や、異素材を合わせることで新たな表情を作り出している。
実はこれまで、ドラマ・ファーストクラスや、アーティスト・スーパーフライなどの衣装も担当してきた経歴を持つ同ブランド。「服を着る事で、今日１日胸を張って歩けるとか、些細な事でもきっかけになったらいいな」と語るデザイナーは、全て一点もののため、製作に時間はかかるが、そのスピードを上げる事も商品の一部、という作り手としてのストイックな面も見せる。
Shinpei SOMA／ 相馬 慎平
ブランドコンセプトを”ネオフェミニン”とし、新しいフェミニン要素を含んだ女性服の提案している「Shinpei SOMA（シンペイソウマ）」。
「あくまで着れる範囲の中でどこまで遊べるかがファッションだと思う」と語るデザイナー 相馬 慎平が、街中で普通に着ることができ、なおかつスペシャリティのあるデザインを追求する。
特に、外で動くとき、また歩いてるときにどう見えるかにこだわり、シルエットと素材を重視。タックをいれることによるボリュームの調整、歩いたときに反射によって表情を変える素材使い、動きが出る軽い素材感のニットなど、ちょっとしたアイデアで新しい服へとアップデートしている。
「ファッションがパワーがないと言われる時代なので、面白いことをして、ひとつの文化としてずっとあるようなものにしたい」と語るデザイナーが、女性の服を通して、街の景色を変えて行く挑戦を始めた。
アトリエ成遂寺
住所 : 東京都品川区上大崎3−7−3 吉田マンション401号室
URL : https://www.facebook.com/atelier.seisuiji/
ZOKUZOKUB : http://www.zokuzokub.com/
old honey : http://www.oldhoney.tokyo/
Shinpei SOMA : http://www.shinpeisoma.com/
