カガリユウスケ企画展「壁の穴」101枚の壁写真と作品を展示

カバン作家「kagari yusuke(カガリユウスケ)」による企画展「壁の穴」が、東京・渋谷のギャラリー HOLE IN THE WALLで、6月18日(土)まで開催中。

レザーに建築材のパテを塗り、壁のように経年する独特の質感を表現するカガリユウスケ。本展では、デザインソースとして10年以上にわたり撮りためてきた膨大な壁写真の中から厳選した101枚を、過去の作品と共に展示している。

kagari yusuke(カガリユウスケ)壁の穴
写真から見い出した”壁を持ち歩く”というテーマ
今ではカバン作家として活動している同氏。元々は鞄からではなく、夜の街の写真を撮ることから始まり、少しづつ壁の写真を撮るように。当時から今とは違う形で鞄は作っていたが、何か違和感があった。もしかしたら自分のやりたいことは撮りためた写真の中にあるかもしれない。これを鞄にしたらどうなるんだろうという気持ちから、”壁を持ち歩く”というカガリユウスケを象徴するテーマに辿り着いた。

デザインソースであり表現媒体である壁
今回は、原点ともいえる壁写真を、パネルになった100枚と、入り口の大判1枚の合計101枚で展示。これまで撮り溜めてきた膨大なライブラリーの中から多面的な見方で厳選し、撮った場所が面白いもの、雪の壁なども混ざっている。

共通するのは、どれもデザインされたような作意のないものであり、自然にそうなったということ。その場所で、そこにいる人や気候に影響されて姿を変えてきた壁は、どれも実際に歩き、嗅覚で見つけたという。直接的・間接的を問わずカガリユウスケの作品に影響を与えてきた、壁というデザインソースであり、表現媒体。

一番言いたい事はどうしても言葉になりづらいという同氏の、表現のルーツであり美意識を感じられる展示となっている。

自分にとって一番大切な種を探し出すこと
また、6月13日には本人によるスライドレクチャーを開催。多く集まった学生達に向けて、「作家にとって大事で最初にすべきことは、自分にとって一番大切な種を探し出すこと」というメッセージを元に、その種を社会に馴染ませて行くケーススタディーとして、自身のこれまでの活動を振り返った。

カガリユウスケ 企画展「壁の穴」
会期 : 2016年5月31日 (火) 〜 6月18日 (土)
会場 : HOLE IN THE WALL
住所 : 東京都渋谷区渋谷 1-20-5
時間 : 12:00〜18:00
休業日 : 日曜日
URL : http://holeinthewall.tokyo/