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年齢も性別も国籍も違うモデル達が、色とりどりのドレスで着飾り、役を演じる、まるでミュージカルのようなショーとなった。
毎シーズン、リトゥンアフターワーズのコレクションに感じる”ピースフルな願い”。自身の著書タイトルでもある「ファッションは魔法」という言葉を葛藤しながらも体現している様子がうかがえる。
また、今シーズンのキーとして挙げた”クチュール”の要素は、伝統美を含んだ優美で隙のない完璧さではなく、今を切り取り、創造への衝動をピュアに反映していた。
ゲゲゲの鬼太郎と言えば、妖怪を通した風刺の側面もあるが、ショーの途中に登場した服をゴミ袋に詰めた妖怪は、短期的な消費物として扱われるファッションに対するアンチテーゼなのだろう。
Text Koichi Kondo