mistrove
2027春夏コレクション

SEASON:2027ss
COUNTRY:japan

mistrove(ミストローヴ)が2027年春夏コレクション「VERNALIZATION」を発表した。

mistroveは、デザイナー・野口キララが2025年に東京都主催のファッションコンテスト「SFDA(Sustainable Fashion Design Award)」で東京都知事賞大賞を受賞したことをきっかけに、国際ファッション専門職大学在学中から準備を進め、卒業とほぼ同時に2025年秋冬シーズンよりスタートしたレディースブランド。コンテストで評価された「隠す美、重なる美」をブランドの軸に、異素材の重なりや透け感を取り入れながら、ロマンチックストリートのスタイルを提案している。

ブランド名は、霧を意味する「mist」、秘宝を意味する「trove」、放浪を意味する「rove」の3つを組み合わせた造語。霧に隠された秘宝を探すように、まだ見えていない美しさを追い求めることをコンセプトとしている。前シーズンの26AWでは、フェイクファーの上にレースを重ねたオリジナルのキルティングを発表し、異素材を組み合わせた新鮮な表現が注目を集めた。

2シーズン目となる27SSのテーマ「VERNALIZATION」は、植物が一定期間の寒さを経験することで開花へと向かう「春化現象」を意味する。コンクリートの下で長い寒さに耐え、やがて硬い地面を突き破って咲く花の生命力を着想源に、荒々しさと儚さが共存する美しさをロマンチックストリートのムードで表現した。

今季の大きな特徴は、春夏シーズンにあえて取り入れたファーと、ブランドの軸でもある「異素材の重なり」をプリント生地で表現した点にある。

ファーの上にレースを重ね、さらにデニムやカットソーを幾重にも重ねてダメージ加工を施すことで、異なる素材が複雑に重なり合い、その隙間からファーやレースが無造作に覗くオリジナルテキスタイルを制作。さらに、そのテキスタイルを特殊な高画質撮影によって捉え、立体感のあるリアルなプリント生地へと落とし込んだ。

本来であればボリューム感を魅力として表に見せるファーを、あえて一番下に重ねることで、レース、デニム、カットソーの隙間から覗かせる独自のレイヤードを構築。実際の素材の重なりを2Dのプリント上でリアルに再現することで、これまでにないファーの使い方を提案している。

芽吹きの瞬間を思わせる立体的な表情には、パールの繊細な輝きをプラス。力強さと儚さを併せ持つテキスタイルとディテールによって、mistroveが追求する「隠す美、重なる美」を今季ならではの方法で表現した。

デザイナーの野口キララは、「今回2シーズン目ですが、1シーズン目の時よりもオリジナル生地も制作し、2〜3倍ほど成長し、より洗練されたロマンチックストリートを重なる美しさで表現できたと思っています」とコメント。

また、26AWは大学4年時の1年間をかけて大学の教員やSFDAの支援機関に相談しながら準備した一方、今回の27SSは卒業後初めて自身で準備したコレクションとなった。より多くの工場や業者と関わりながら制作を進め、「ここまで作り上げることができたことを実感し、とても感謝しています」と振り返る。

さらに、大学卒業時には「夢を夢で終わらせない奨学金」を受賞し、国際ファッション専門職大学から支援を受けてブランドをスタート。今回のコレクションを妥協せず制作できたことについても、学校への感謝を語っている。

今後は、ブランド立ち上げのきっかけとなったSFDAの副賞として、東京都、読売新聞、アンリアレイジの3者によって実現するパリ・ファッションウィーク期間中の合同ファッションショーへの参加が、27AWコレクションで予定されている。

ブランドの核である「隠す美、重なる美」をさらに発展させながら、2シーズン目で新たな表現へと踏み込んだmistrove。27SSでは、春夏には珍しいファーの使い方と、異素材の重なりをリアルに再現したプリントテキスタイルに注目したい。