「matohu(まとふ)」の2017-18年秋冬コレクション。テーマは「いき(粋)」。江戸時代の町人文化から生まれた美意識は、体現する人こそ減ったものの現代に通じるヒントが多く残されている。今回は、このストレートなテーマを過去の定義に遡るのはなく、これからの生き方はどうあれば格好良いのかに思いを巡らした。
ルックでは、途中で生まれては消える、出会いと別れを象徴するような縞模様の織り柄や、風景をジャカードで表現した竹の重なりによる縞の見立てなど、粋を象徴するストライプが多種の模様で登場。西陣織や袈裟に用いられるテキスタイルといった伝統工芸も取り入れつつ、艶や色気を演出するレザーが、シルエットと素材にアクセントを加えている。
スタイルや流行以前の生き方とは。日本独自で代替不可能な”粋”という概念の意味とは。その問いの答えを「垢ぬけていること、誇りと独立心を持って生きていること、匂い立つような色っぽさがあること」と表現し、現代にいきる粋を改めて提示した。